マイクロマウスの製作の記録を紹介しています

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■10.マイクロマウス "Mice sweeper"の紹介





 S pec

Size

Width:76mm  Length: 112mm  Height: 32mm

Weight

約116〜126g(電池,用いる吸引装置により異なる)

Power Supply
HYPERION 25C:LiPo (240[mAh]) 2cell 7.4V 

Control

両輪一体速度PI±角速度PI

Motors

1717T006SR+IE2-512 ×2

Driver

TB6612FNG

CPU

SH7137F 80MHz with 256k EEPROM

Gyro ADXRS610 モジュール(BestTechnology製 (廃番))

Wall Sensors

TPS601A & OSR5MA5111A×6

Wheels

POM Diameter:24mm  Width:8mm 両持ちベアリング
Gear rate: 14:66 M0.3協育歯車 CNCによる追加工

Maze solve algorithm

近そうな未探索区間に足立っぽいもの

Speeds

Straight:2.5〜3.0m/s
Turn:1.3〜1.8m/s
Acc:9.8〜15.0m/ss

 Introduction

引マウス。去年の課題であったトルク不足を解消するための手段として流行りの変則4輪とは別のアプローチとして前々から作ってみたかった吸引機構を搭載した。それほど強力な吸引装置ではないが、効果は絶大であり、09マウスの限界をあっさりと超えるパラメータでの走行が可能となった。また、miniCNCを購入したことで従来よりもマシンのデザインの自由度と精度が向上した。

 Competition Results

大会名 記録 順位
2010 中部地区初級者大会(オープン参加) マウス競技       : 4秒 157
サーキット競技 : 8秒 438
-
-
2010 東日本地区大会 マウス競技       : 4秒 760
サーキット競技 : 8秒 016
2位
1位
2010 中部地区大会 マウス競技       : 9秒 689
サーキット競技  : 8秒 237
6位
3位
2010 全日本大会 エキスパートクラス    予選                : 東シード
決勝                : 4秒 942
   ニューテクノロジー賞
-
4位


 Mecanical design

   引機構。モータは日本橋のジャンク屋で拾った並木精密のΦ10のコアレスモータ。このモータはシャフトが長く、吸引ファンを直結させるために都合がよかった。ファンは家に転がっていたハンディークリーナーを分解したもの。通常であれば水平を出すための追加工が必要であるが、このファンは奇跡的にモータシャフトに差し込むだけで十分水平が出せた。
   カート部分。シャシはCFRP製で、剛性と耐衝撃性に優れている。吸引機構はロボットランサー競技でよく用いられている方式をマウスに輸入した。何種類かの素材を組み合わせ、吸引時の密封性を保ちながらも滑りやすさを出し、なおかつ段差も乗り越えられるようにするためにかなり苦労した。後ろだけ吸引しているのは重心のバランスを取る意味があり、2輪車の場合、先端のカグスベールに負荷がかかってしまうと吸引の恩恵が半減してしまうと考えたため。
   CNCを使った工作物。ファンも一度は自作したが既製品には及ばなかった。

CNCはBLACKU1510
制御ソフトはturboCNC
PCは元祖ネットブックLibretto60

 Hardware design



めセンサは半区画以上前を見ることで高速走行時の無理のない姿勢制御、ターン時の早めの壁切れ補正を行うことが可能になった。
センサは去年のマウス同様、主に探索時の壁切れ補正、壁読みに用いられる。
センサは主流とは異なり、今回前方に角度をつけて配置。これはターン前に2つの前センサの差分を利用して機体の迷路に対する角度を補正するため。連続ターンでは座標よりも、角度がずれることのほうが致命的となる。斜め走行時の補正もそれほど不自由ではなかった。

 
路の大きな変更点は光センサ。今まで、BasicMouse方式の2段HPF+増幅+ピークホールドを用いてきたが部品点数削減のため、全て取っ払い、ソフトウェアでのみ外乱をカットするようにした。エキスパート決勝の環境でもほとんど問題なかったので変更は成功といえる。

の部分はトレーサ用の別基板。このマウスは下の基板をコネクタで接続するとライントレーサにもなるという拡張性を持っている。この他にもラジコンサーボや、PSDなど汎用のセンサをつけることもできるのでその気になればランサーやマイクロクリッパーにも変身が可能である。

SH7137は12bitのADポートが16個PWM出力も実質10以上と十分すぎるほどあるため、マウスには少々オーバスペックではある。


 Software design

 ■モータ制御ルーチンの変更

のマウスは09マウスまでのモータの制御方法が大きく異なり、それまで、ターンや直進のパターンで制御系をいくつか切り替えていたが、このマウスは全てのモーションが完全に同じPIサーボシステムで動いている。直進速度系と回転系のサーボ制御を10行ほどの制御に集約させ、安定したのでゲインもかなり上げることができた。

 ■ターン

ーンは旋回半径とおおまかな速度だけを与え、出たなりの速度で回っている。そのためターン速度は厳密にはその時々によって変化しており、実際のスピードは目標より速かったり、遅かったりする。ターン直進の切り替えは座標条件と角度条件の2段構えでいずれかが条件を満たしたときに移るようにしている。座標と角度を独立で見ているので、スリップや衝突などでどちらかに多少の誤差があっても持ち直せるようにしている。

 ■壁切れ補正

のマウスの今回最も調整に苦労した部分である。壁切れは光センサで6種類ほどのターン進入パターンを判別し、手前の高速走行で進入位置が乱れた場合でも対応して正常に戻すようにしている。具体的には壁切れを検出するまでターン開始をじらすという制御である。これはさじ加減が重要で、どこまで光センサを信用するかということである。また手前1区画が抜けていると誤認識しやすくシビアになる。

切れ座標の決定はターンごとに学習走行を行い、マウスが自動で決定しており、パラメータとしてEEPROMに書き込まれる。

 Movie

吸引の様子


走行の様子

 Future Studies

■バカ

さがたりない。迷路を作る側の思う壺。今後は地区大会でもレイアウトが嫌らしくなる可能性があるので、少し探索や最短導出方法を見直す時期かも。

■慣性モーメント

用性を出すために底板マウスを諦めたが、専用機にすれば軽量化も相まって、もう少し速くなりそうな気がする。もう少しマスへの集約が必要。

メカ

ワーを重視しすぎた。かえって遅くなった部分もある。次回はもう少しバランスを取ろう。また、吸引機構についても改善の余地あり。


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