マイクロマウスの製作の記録を紹介しています

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■12. ハーフサイズマイクロマウス "紫電RX"の紹介

 S pec


Size

Width:40mm  Length: 58mm  Height: 15.46mm

Weight

約19g

Power Supply
HYPERION :LiPo (100[mAh]) 1cell 3.7V 

Control

両輪一体速度PI±角速度PI

Motors
DIDEL:MK06-4.5

Driver

TB6612FNG

CPU
RX62T 96MHz with 256k EEPROM
Gyro LY3200ALH

Wall Sensors

TPS601A & SFH4550×4

Wheels

POM Diameter:15.46mm  Width:3.5mm 片持ちベアリング
pinion: G309-071 追加工 M0.3 9枚 樹脂 
spur:   KOPROPO:35512 追加工 M0.3 45枚 樹脂

Maze solve algorithm

限定探索 (最短経路:時間ベース評価関数搭載)

Speeds

Straight:〜2.0m/s
Turn:  〜0.7m/s
Acc:   〜6m/ss

 Introduction

3代目のハーフマウス。RXマイコンの初採用、1セル対応、センサ4つによる制御など自分としては新たな試みであり、直近の流行を取り入れている。同年のクラシックマウス「紫電」より数か月後に開発されているのでハード、ソフトともクラシックより新しくなっている。

自律賞を狙う前提のソフトとなっていたが、迷路が予想以上に汚かったので探索後半で滑って走行不能となり、結局中途半端な成績に終わった。

 Competition Results

大会名 記録 順位
2012 東日本地区大会 ハーフ競技  : 6秒308 1位
2012 中部地区大会 ハーフ競技  : 5秒739 4位
2012 全日本大会 エキスパートクラス   

予選  : シード
決勝  : 17,390;

-
5位


 Mecanical design


配置図

体の構成は特別な要素もなく、ハーフマウスとしてはオーソドックスであるが、昨年の機体は作りが良くなく動作不良を度々起こしていたので今年はそれを改善して信頼性を向上させたものである。結果、一度もメカは不具合を起こすことはなかった。

気エンコーダICAS5040を車軸に使用した自作ロータリーエンコーダユニットを搭載している。ここでいざこの石を使おうと思うと考えなければならないのは以下の2点だと思う。

1.ICをシャシに対して垂直に配置する方法
2.磁石を車軸に対してどう固定するか?

1に関しては以下の通り、シャシ基板をCNCでくり抜き、図のようなキー型の基板を差し込み、通電は機体の裏からはんだ付けを行うようにした。これによりネジなどを用いることなく、基板を物理的に確実に位置決めすることが可能となり、また強度も前年の機体のようにはんだの接点だけで支える場合よりも強いと考えられる。(前年の機体はここが弱かった)


については言葉で説明するのは難しいので下の分解図で感じ取ってください。


モータユニット



                       分解図

CNCの2.5D加工が必要など少し面倒な構造になっているが一応この構成でまともには走行できている。ただ薄さを優先してエンコーダを片持ちにしたことは、設計上問題かもしれない。アンギュラベアリングが適切かと思うがこんな小型で薄いものは入手困難だろう。

Φ10のベアリングと光センサユニットが比較的重い。そのせいでこの磁気エンコーダを使った国内のマウスの中では最重量級に入る。

 Hardware design

RXマイコンに合わせてロジック系を自分の作品では初めて3.3Vにした。初めて使用するマイコンにもかかわらず、データシートもあまり読まずにいきなり本番ぶっつけで回路を組み、修正することもなく全てが問題なく動いてしまったあたりは、周囲の情報の多さ、SHやH8とポート名や機能に互換があることに助けられた。

さな基板であるが、昨年から吸引穴や、光センサを省略したため2相の片面実装でも無理なく部品を配置することができた。

品は大部分が1005サイズ、光センサとコネクタ以外はすべて面実装部品。

 Software design


ーンの制御はクラシックよりもさらにパラメータを増やし、細かく調整する必要があった。またそもそもエンコーダのついている部分が車軸で解像度も低いため、割込周期を管理して、加減速とPI制御を別々の周期で行うなど細かい部分でクラシックとはいろいろと異なる部分が存在する。

ラシックとは探索ルーチンが異なり探索時間と仮の最短経路にある程度目途がついたら未探索の区間があっても、戻ってくるようになっている。完全自律賞を狙うことを前提としていたせいもあるが、32×32の迷路を1度の走行で全面探索するのはかなり困難であるので、例えタイムを狙うとしてもクラシックと戦略は変えなければならないと思う。

その他、以下の制御に関する項目はクラシック「紫電」と同じである。

標変換の変更
ーン中の壁切れ補正
算の高速化

 Movie



 Future Studies

索安定

地区大会レベルの規模であれば、クラシックと同じように長く探索を行っても問題ないことは確認したが、全国大会の32×32の迷路ではタイヤに埃がびっしりついており、探索後半でスリップしてまともに走行できなくなるという事態が発生した。
もう少ないトルクでターンをするように改良する必要がありそうだ。

短走行直進安定度

練習でも長い直進で速度が2m/sを超えると蛇行するケースを多く確認している。どうもこれは光センサの姿勢制御云々というより、モータのトルクが弱い感じである。
実は昨年のマウス(2セル)よりも直進もターンも速度は低下している。
タイムも狙える機体にするには軽量化するかモータのトルクを増やすかギヤ比を上げるか、なにかしらチューンナップをする必要がありそうだ。


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